今回は車検整備での1998年ウルトラです、アニバーサリーカラーで全体的にピカピカなのですが、屋内に置いていると・・・おや・・・?
17年モノ
2015年11月6日
床に見えるは水たまり、ならぬオイルたまり・・・。
拭きとっても一晩するとまた垂れています。まずは故障診断から。漏れている箇所を探します。
少し見た感じだとエンジン前部付近が黒く湿っているので可能性としてはフロントシリンダー、オルタネーターのグロメット、オイルフィルターあたりでしょうか?
まずは洗車、脱脂してエンジンを温めます。エンジンをかけることでオイルが流れ、また金属が膨張、エンジン内部に圧力がかかるのでじわじわと漏れてくる場合があります。
これで漏れてこない場合は試乗でも・・・
と思ったらありました、エンジンシリンダーのベースから漏れてきております。(画像撮り忘れ
当時のエンジンのガスケットは紙製のものを使用しているので、年数が経つともちろんパッキパキになってしまって手で触ってボロボロ崩れ落ちるレベルに・・・もし新車から変えてないとしたら17年も経ってるわけですし何キロ乗ってるかなんてもはや関係ない、いわゆる「経年劣化」ってやつですね。
さてさて場所がわかっているならさっさとバラしていきましょう。
かなりすっ飛ばしましたがタンクを外しロッカーまで外したところです、ここまでで1時間~2時間かからないくらい、でしょうか。ちなみにここのガスケットはメタル素材のものが使われていて開けた形跡がありました。
シリンダーヘッドまで外しました、なぜ後ろもバラすかって?前が漏れてるのに後ろが漏れないとでも・・・?というのは半分冗談でもガスケット自体腰上前後でセットの方が割安ですし、もちろんここまでバラすなら工賃もさほど変わりません。前だけ直すよりも多少割高にはなりますが、安心はお金で買えるということですね!
シリンダーを外したところです、さすがに17年分のカーボンはかなりの厚みを出しております・・・暗黒物質だ・・・
さてここまでバラしたらいよいよ本題、肝心のガスケットは・・・
ビンゴ、予想通り紙のガスケットがパキパキになっておりました。これを丁寧に剥がして磨いていきます。
(余談ですがリアは過去に修理されていた形跡がありメタル製のガスケットがついていました。どうりで前だけ漏れたわけですね)
さてあとは組んでいくだけ~・・・というわけにもいかないんですね
こちらはシリンダーヘッド、シリンダーとシリンダーヘッドの間の部分です。こちらのガスケットも圧着されたあとでボロボロになっております、燃焼室のカーボンもすごいですね~、この辺を点検・清掃しながら組んでいくわけです。
本来ならばもうちょっと細かく分解・組み付けの過程を撮影出来てればいいんですが不器用なもので整備に集中しているとついつい撮るのを忘れて没頭してしまいます・・・
というわけで完成しました
やはりクリーンな状態で乗りたいですよね
バッチリ漏れも止まりました
もちろんプッシュロッド付近のOリングも交換したので安心、ちなみにOリングもゴムの油分が抜けてパキパキに押しつぶされていていつ漏れてもおかしくない状況でした、このタイミングで修理出来てよかったと思います。
ではまたなにかネタが有りましたら!